生前整理で金を売却する進め方と買取店3社|残す品を決め、値段と記録を確かめてから売る

生前整理で金を売却するときの考え方|残す品とその理由を先に決め、迷う品は値段を確かめてから売るかどうかを決める進め方を示したインフォグラフィック
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結論: 生前整理で金を売却するときは、売る品を探す前に残す品を決め、迷う品は査定で値段を確かめてから手放すかどうかを決めると、あとで後悔しにくくなります。店に持ち込んで売る取引は、訪問購入と違って法律上のクーリング・オフの対象外です。編集部が挙げるのは、終活・生前整理の専用ページで家族に遺す品の価値を今のうちに知ることを勧めている なんぼや、全国2,400店舗以上の窓口を掲げ、生前・遺品整理での利用を案内している 買取大吉、生前整理・遺品整理の専用ページで、買取とあわせて大型家具の処分の手配まで案内している ザ・ゴールド の3社で、並べた順に優劣はありません。

「70歳を過ぎたので、元気なうちに身の回りを片づけておきたいんです。若いころに買った金のネックレスや、退職の記念にもらった金貨、亡くなった主人が少しずつ買っていたインゴットもあります。娘に残すものと売るものを、自分で決めておきたくて」——こうした相談が、編集部に届くようになりました。

話を聞いていくと、迷いの中身は「どこが高く買うか」だけではありません。どれを残してどれを売るのか。インゴットを売ったら税金がかかるのか。店で売ったあとに気が変わったら取り消せるのか。売ったことを、あとで家族にどう伝えればよいのか。持ち主が健在で、自分の判断で品物を手放す生前整理ならではの問いです。

この記事では、持ち主本人が自分の金を売るか残すかを決める場面に絞り、比べる観点を3つに整理したうえで、生前整理の進め方に合う3社と、品物や量によって候補に入る3社を、会社の単位で紹介します。持ち主が亡くなったあとに相続人として遺品の金を売る場合は、家族の間で分け方を決めるところから段取りが変わるため、別の記事で扱っています。

同じ「金」でも、品目によって査定で見られるところが違います
真贋・状態・流通の3つの要素で品物を見る、私の鑑定の物差し(早川式リユース鑑定トライアド)に当てはめると、インゴットや金貨、飾りの少ない金のアクセサリーは、品位と重さをその日の相場と照らし合わせるM-1(相場軸)で、値段のほとんどが決まります。誰がいつ持ち込んでも、計算の筋道は同じです。一方で、宝石の付いた指輪やブランドのジュエリーは、石や作り、箱や鑑別書がそろっているかで値段が動きます。金の仏具や細工物は、金の部分の品位が分からず、預かって測ることもあります。生前整理で「残すか売るか迷う品」ほど、相場だけでは値段が決まらない品であることが多い、というのが私の実感です。迷う品ほど、先に値段を知っておく意味があります。
生前整理で手が止まるのは、売る品より、残す理由を言葉にするところです
鑑定の現場にいたころ、生前整理のご相談で伺うと、最初にテーブルへ並ぶのは「どうでもいい品」で、本当に迷っている品は最後まで引き出しの中ということがよくありました。当サイトで状況の視点を担当している森田あかり(整理収納アドバイザー1級・終活カウンセラー)も、生前整理の現場では、手放す品を探すより先に、残す品とその理由を決めると作業が止まりにくいと話しています。私も同じ考えです。残す理由が「娘が使うから」なのか「思い出だから」なのかが決まっていれば、残りの品は値段を見て落ち着いて判断できます。値段を聞いてから残すと決めるのも、立派な生前整理です。
この記事の結論サマリー
  • 国民生活センターによると、店舗でのアクセサリーや貴金属等の買取に関する相談は、2020年度の165件から2025年度は937件に増えました。2025年度の相談の当事者は平均63.3歳で、70歳代が29.5%を占めています(2026年9月2日公表)。
  • 店に持ち込んで売る取引は、法律上のクーリング・オフの対象外です。法律のクーリング・オフは自宅などで売る訪問購入が対象で、店頭で売る場合や、品物を送って売る宅配買取では、会社ごとの返品の決まりがあるかどうかを確かめる必要があります。
  • 金のアクセサリーなど生活に使う品は、1個または1組30万円を超えるものを除いて、売っても所得税がかかりません。金地金は原則として総合課税の譲渡所得の対象で、支払金額が200万円を超える売却では、買い取る業者がマイナンバーを確かめ、税務署へ支払調書を出します(国税庁)。
  • 編集部が挙げるのは、家族に遺す品の価値を今のうちに知ることを勧める なんぼや、全国2,400店舗以上の窓口を掲げ、生前・遺品整理での利用を案内している 買取大吉、買取とあわせて大型家具の処分の手配まで案内する ザ・ゴールド の3社です。順位ではなく、生前整理のどこから始めたいかで選び分けます。
目次

店舗で金を売るトラブルの相談は5年で5倍を超え、店頭での買取はクーリング・オフの対象外です

生前整理で金を売る前に知っておきたいのは、店舗での貴金属の買取をめぐる相談が、ここ数年で大きく増えているという事実です。国民生活センターが2026年9月2日に公表した注意喚起によると、全国の消費生活センターに寄せられた、店舗でのアクセサリーまたは貴金属等の買取に関する相談は、2020年度の165件から、2021年度240件、2022年度349件、2023年度410件、2024年度566件と毎年増え、2025年度は937件になりました。2026年度も7月末までで294件と、前の年度の同じ時期の186件を上回っています(出典:国民生活センター 店舗でのアクセサリーまたは貴金属等の買取に関する消費者トラブルにご注意!)。

同じ公表の参考資料では、2025年度の相談の当事者の平均年齢は63.3歳でした。年代別に見ると70歳代が29.5%で最も多く、60歳代が20.3%、50歳代が20.2%、80歳代以上が13.3%と続き、当事者の75.2%が女性です。平均の売却金額は約56万円で、まとまった金額の取引になりやすいことも読み取れます。生前整理をする人の数を示す数字ではありませんが、身の回りの金を手放しやすい年代の相談が多いことは確かです。

店舗でのアクセサリーまたは貴金属等の買取に関する相談件数の推移 ── 国民生活センター「店舗でのアクセサリーまたは貴金属等の買取に関する消費者トラブルにご注意!」(2026年9月2日公表)の年度別件数。全国の消費生活センター等に寄せられた相談をまとめたもの
年度相談件数
2020年度165件
2021年度240件
2022年度349件
2023年度410件
2024年度566件
2025年度937件

ここで押さえておきたいのは、売る場所によって法律の守り方が違うことです。自宅などに業者を呼んで売る取引は、原則として特定商取引法の「訪問購入」にあたり、法律で決められた書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができます(出典:消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問購入)。一方、国民生活センターは、店舗での買取は消費者が自分から店に出向いているため、この制度の対象外だと説明しています。品物を送って売る宅配買取は、業者が自宅に来る訪問購入とは取引の形が異なり、取り消しの扱いは各社の決まりによります。

そのうえで国民生活センターは、査定を受けたからといってその場で買取に応じる義務はないこと、その場で決めずに持ち帰り、ほかの店でも査定を受けるなどして比べることを呼びかけています。会社によっては自社の決まりとして返品を受けるところもありますが、それは法律の制度とは別のものです。店で売るなら、「査定を受ける日」と「売ると決める日」を分けて考えるのが、生前整理の金を手放すときの基本になります。

出張で売る場合の法律の決まりや、訪問を受けるときの注意点は、金の出張買取の業者選びと押し買い対策をまとめた記事で詳しく扱っています。

残す品を決め、値段を確かめてから売る。その進め方に合わせて選んだ3社

生前整理で金を売るとき、編集部が挙げるのはなんぼや、買取大吉、ザ・ゴールドの3社です。3社とも、終活・生前整理や遺品整理の相談に触れた案内を公式サイトに載せ、店頭と出張の両方で買取を受けています。

先に断っておくと、査定だけで売らずに帰れることや、査定料・キャンセル料がかからないことは、この3社だけの条件ではありません。今回確かめた会社のほとんどが、査定だけの利用やキャンセルの無料を公式に明記しています。おたからやは「一度持ち帰って家族と相談したい」という利用も歓迎すると書き、エコリングも査定のあとに品物を持ち帰れると答えています。これらはいまや業界の標準に近い条件で、それだけでは会社を選ぶ決め手になりません。

そのうえで3社を挙げるのは、生前整理をどこから始めたいかに応じて、公式の案内がいちばん具体的な会社を1社ずつ置いたからです。家族に遺す品の価値を知るところから始めたいならなんぼや、近くの窓口で相談しながら少しずつ進めたいなら買取大吉、金と一緒に家の中の品をまとめて片づけたいならザ・ゴールド、という分け方です。なお、生前整理を扱う専用のページは、ジュエルカフェも「遺品・生前整理買取」として設けています。3社に序列を付ける意図はありません。

家族に遺す品と売る品を、価値を知ってから分けたいなら なんぼや ── 終活・生前整理の専用ページで「今のうちに価値を把握する」ことを勧める

なんぼや(Nanboya)
運営:バリュエンスジャパン株式会社(東京都港区・持株会社は東証グロース上場) / 古物商許可:東京都公安委員会 第301102004121号 / 店舗網:公式サイトに全国140店舗以上と表示(2026年10月20日確認)
遺す品の価値を、遺す側が知っておく

なんぼやの終活・生前整理の相談をまとめたページは、終活というと遺書の作成や不動産・証券の相続、生命保険、介護に目が向きがちで、たんすやクローゼットの中のブランド品・宝飾品・古美術品の整理が見落とされやすいと指摘しています。遺された家族が品物の価値を知らないまま、受け継ぎたかった品を受け継げなかったり、親族の間で争いの種になったりしないよう、今の段階で家族に遺したい物の価値を把握することが大切だ、という書き方です。家族へ継承する品と継承の方法の相談から、売却や引き取りまで受けるとしています。

生前整理で残す品を決めるときに、「残す品の値段」を知っておく意味はここにあります。娘に渡すつもりの指輪がどのくらいの価値なのかが分かっていれば、ほかの品とのつり合いを考えて分け方を決められますし、遺言書やエンディングノートに書き残すときの手がかりにもなります。

金だけでなく、家の中の品を分野を問わず見る

同じページでは、骨董品・書画・宝石・貴金属・美術・工芸品・着物など、分野を問わず査定を無料で行うとし、売り方は店頭・宅配・出張・ビデオ通話のオンラインの4つから選べます。査定料とキャンセル料はいずれもかからず、全店・全サービスで買取基準は同じだと明記しています。電話の受付は午前10時から午後9時までです。

インゴットを含むときの書類

なんぼやのインゴットの買取案内は、譲渡の対価が200万円を超える場合は個人番号カードの提示が必要だと書いています。本人確認書類は運転免許証・運転経歴証明書・パスポート・特別永住者証明書・個人番号カードで、18歳未満は利用できません。

近くの窓口で相談しながら、少しずつ進めたいなら 買取大吉 ── 全国2,400店舗以上の窓口を掲げ、生前・遺品整理での利用を案内

買取大吉
運営:株式会社エンパワー(東京都新宿区) / 古物商許可:東京都公安委員会 第304361407260号 / 店舗網:公式サイトに全国2,400店舗以上と表示(2026年10月20日確認)
思い立った日に、近くの窓口へ相談だけしに行ける

生前整理は、一日で終わる作業ではありません。引き出しを一つずつ開け、残す品が決まったところで、迷う品を少し持って値段を聞きに行く、という進み方になりがちです。買取大吉が初めて使う人へ向けた案内は、「生前・遺品整理をしたい」ときに便利な使い方として同社を挙げ、店舗での買取は査定無料・予約不要・相談のみでもよいとしています。査定のあとに売らずに帰っても、査定料・出張料・キャンセル料はかからないと明記しています。

予約なしの来店はザ・ゴールドやなんぼや、おたからやも受けていますが、買取大吉が違うのは窓口の数です。公式サイトに全国2,400店舗以上と表示しています。同社は2026年6月4日の発表で、未来トレンド研究機構の調べ(調査期間2026年2月1日〜3月31日、ブランド品・貴金属・お酒などを買い取る個人向けの国内店舗数。直営店とフランチャイズ店の合計)によりリユース業界の店舗数で1位だとしています(出典:株式会社エンパワーの発表)。おたからやも2,000を超える店舗網を掲げており、数える範囲は会社ごとに違いますが、自宅や病院の近く、買い物先などで窓口を見つけやすいことは、何度かに分けて相談したい生前整理と相性がよいと編集部は判断しています。

持ち運べない品は、家に来てもらう

本部が案内する売り方は、店舗・出張・催事の3つです。買取大吉の出張買取の案内によると、予約は当日でも受け付け、査定は玄関先でもよく、査定料・出張料・買取手数料・キャンセル料はかかりません。成約すれば代金はその場で現金で受け取れます(金額によっては一部振込)。出張で売る場合は原則として訪問購入にあたり、法律のクーリング・オフの対象になります。

先に知っておきたいこと

年齢は18歳以上が条件で、本人確認書類は運転免許証・在留カード・パスポート・マイナンバーカードを挙げ、従来の健康保険証は令和7年12月2日から身分証明書として扱わないと告知しています。インゴットについては、購入したときの領収書や契約書などの購入証明書を持ち込むよう勧めていますが、200万円を超える売却の書類については、本部の買取の案内ではなく、お役立ちコラムで制度を一般的に解説している形です。インゴットがまとまった量ある場合は、申し込みのときに必要な書類を確かめてください。

金と一緒に、家の中の品をまとめて片づけたいなら ザ・ゴールド ── 生前整理・遺品整理の専用ページで、買取と大型家具の処分の手配まで案内

ザ・ゴールド(THE GOLD)
運営:株式会社マックスガイ(東京都中央区) / 古物商許可:東京都公安委員会 第301030608093号 / 店舗網:公式サイトに全店直営・全国76店舗と表示(2026年10月20日確認)
「買取」と「処分」を一つの窓口で

生前整理では、金の指輪のすぐ隣に、着物や食器、使わなくなった家具が並んでいます。ザ・ゴールドの生前整理・遺品整理のページは、廃棄や回収の業者に頼むと価値のある物まで不要品と一緒に処分されてしまう、と注意を促し、「買取」と「処分」を同時に受けられると案内しています。大型家具の買取や処分の依頼は、同社を通じて提携業者から連絡する仕組みで、提携業者の対応地域は関東・東海・関西・中国・四国(一部地域を除く)で、北海道・東北や九州などは含まれていないため、処分まで頼みたい場合は申し込みのときに確かめてください。

買い取る品目も、金・プラチナや宝石、ブランド品、時計のほか、着物・帯、毛皮、切手、絵画、骨董・古美術、カメラ、楽器、小型家電、ミシンまで並んでいます。リユース営業士や、生前整理・遺品整理の経験があるスタッフが片づけの助言もすると書かれています。

値段を聞いて、残すことに決めてもよい

同じページには、査定でお品物の価値を知り、手元に残すことを選ぶ人もいる、という一文があります。生前整理の査定は、売るための手続きであると同時に、残す品を選び直す材料にもなる、という考え方です。出張料・査定料・キャンセル料はかからず、出張は沖縄県と一部の離島を除く全国が対象で、遠隔地などでは宅配買取を案内しています。本人確認書類は運転免許証・マイナンバーカード・運転経歴証明書などの有効期限内の原本で、18歳未満は利用できません。

先に知っておきたいこと

全店が直営で、店頭・出張・宅配の3つで買い取りますが、店舗は北海道・東北や甲信越などに多く、地域によっては近くに店がないことがあります。その場合は出張か宅配で頼む形になります。金の品位別の日々の価格は、今回確かめた範囲では公式サイトの画面に表示されていませんでした。値段を相場と見比べたい場合は、査定の場で品位と重さを1点ずつ聞いてください。

次の表は、生前整理で金を売るときに効いてくる条件に絞り、この記事で扱う6社を会社の単位で並べたものです。店舗網の欄は各社が自分で掲げている表示を写したもので、数える範囲が会社ごとに違うため、大小の比較には使わないでください。

生前整理で金を売るときに確かめたい条件を6社で並べた表 ── 店舗網の表示と各社の記載は2026年10月20日に公式サイトで確認。「記載なし」は公式サイトで確認できなかったという意味で、対応していないという意味ではない
屋号運営会社店舗網の表示(2026年10月20日)本部が案内する売り方生前整理に関わる公式の記載200万円を超える地金の書類
なんぼやバリュエンスジャパン株式会社(東京都港区)全国140店舗以上店頭・宅配・出張・オンライン終活・生前整理の専用ページ個人番号カードの提示が必要と明記
買取大吉株式会社エンパワー(東京都新宿区)全国2,400店舗以上店舗・出張・催事初めての方への案内に「生前・遺品整理をしたい」コラムで制度を解説
ザ・ゴールド株式会社マックスガイ(東京都中央区)全店直営・全国76店舗店頭・出張・宅配生前整理・遺品整理の専用ページ記載なし
コメ兵株式会社コメ兵(愛知県名古屋市)全国205ヶ所店頭・宅配・出張初めての方への案内に「遺品・形見の品を整理したい」支払調書の提出とマイナンバーの届け出を明記。インゴット500g以上は購入明細書
リファスタラウンジデザイナーズ株式会社(東京都豊島区)東京池袋・大阪心斎橋の2店舗店頭・宅配よくある質問で財産整理の依頼に触れる支払調書に該当する取引のみマイナンバーの提示と明記
おたからや株式会社いーふらん(神奈川県横浜市)店舗数2,070店舗以上(2026年10月時点)店頭・出張・無料査定フェア・フォーム査定・LINE査定出張査定の案内に「遺品の整理や終活の相談」コラムで制度を解説

品物や量によっては、ほかの3社も候補に入ります

手元にある金の種類や量によっては、上の3社とは別の条件のほうが合うことがあります。インゴットや金貨がまとまってあるならコメ兵、一部だけ売って残りを返してほしいならリファスタ、朝の更新時刻つきの価格を見てから持ち込みたいならおたからや、という選び方です。生前整理の手元の品に照らして、候補に1社加えて比べてください。

インゴットや金貨がまとまった量あるなら コメ兵

コメ兵(KOMEHYO)
運営:株式会社コメ兵(愛知県名古屋市・持株会社は東証スタンダード上場) / 古物商許可:愛知県公安委員会 第541162007700号 / 店舗網:買取サイトのヘッダーに全国205ヶ所と表示(2026年10月20日確認)

亡くなった配偶者が少しずつ買い集めたインゴットを、自分の代で整理しておきたい、という場面では、必要な書類を前もって確かめられる会社が頼みやすくなります。200万円を超える取引でのマイナンバーの扱いは、なんぼややリファスタも自社のページに書いていますが、コメ兵は自社から税務署へ支払調書を出すことまで明記し、インゴットの量に応じた書類も求めています。コメ兵の買取のよくある質問は、200万円を超える金・地金等の買取が成立したときは同社から税務署へ支払調書を出すため、個人番号(マイナンバー)の届け出が必要だと明記しています。コメ兵の金の買取案内は、インゴット500g以上を売る場合は購入明細書も一緒に持ってくるよう求めています。インゴットを買ったときの書類が家のどこにあるかを、売る前に探しておく理由になります。

金の1gあたりの買取価格は最終更新日つきで公開しています。年齢は20歳未満が利用できず、本人確認書類は運転免許証・マイナンバーカード・運転経歴証明書のほか敬老手帳も挙げています。在留カードは金や白金の地金の取引の本人確認書類には使えません。税金の申告については、所轄の税務署か税理士に相談するよう案内しています。

一部だけ売って、残りは手元に戻したいなら リファスタ

リファスタ(Refasta)
運営:ラウンジデザイナーズ株式会社(東京都豊島区) / 古物商許可:東京都公安委員会 第305501007069号 / 店舗:東京池袋・大阪心斎橋の2店舗(2026年10月20日確認)

送った品のうち、値段を聞いてから一部だけを売り、残りを返送してもらえることを、宅配買取のよくある質問で明記している会社の一つがリファスタです。リファスタのよくある質問は、宅配買取で査定を受けたあとの返却は一部・全品のどちらにも対応し、キャンセル手数料や返送の送料はかからないとしています。大黒屋(チケット系)も、出張買取では明細を見て1点ごとに売るかどうかを決められるとしています。会社によっては、まとめて金額を出した品の中から一部だけを売ったり返したりはできないと決めているところもあるので、生前整理で「値段を見てから選びたい」なら、この違いは効いてきます。

売ったあとの買取明細書は、会員のマイページからいつでもダウンロードできるとしており、売った記録を手元に残しやすい仕組みです。200万円を超える取引は税務署へ取引明細を出す必要があり、該当する取引に限ってマイナンバーの提示を求めると書いています。店舗は東京池袋と大阪心斎橋の2か所で、それ以外の地域からは宅配で頼む形になり、出張買取の案内はありません。満18歳以上が利用の条件です。

朝の更新時刻つきの価格を見てから持ち込みたいなら おたからや

おたからや
運営:株式会社いーふらん(神奈川県横浜市) / 古物商許可:神奈川県公安委員会 第451380001308号 / 店舗網:公式サイトに店舗数2,070店舗以上(2026年10月時点)と表示

金のアクセサリーや地金は、品位と重さとその日の相場で値段の大筋が決まります。品位別の価格はコメ兵やジュエルカフェ、リファスタなども公開していますが、更新の時刻まで示しているのがおたからやです。おたからやの金の買取価格のページは、K24やK18などの品位ごとの1gあたりの価格を、営業日の午前9時30分の更新時刻つきで載せ、前の営業日との比較も示しています。手元の品の刻印と重さが分かっていれば、出かける前におおよその目安をつかんでから店で査定を受けられます。

おたからやの初めて使う人への案内は、「一度持ち帰って家族と相談したい」という利用も歓迎するとしています。査定料やキャンセル料はかからず、18歳未満は利用できません。本部の案内する方法は店頭・出張・無料査定フェア・フォーム査定・LINE査定で、送って売る方法は加盟店ごとの提供です。

インゴットや地金の売り方そのものを詳しく知りたい場合は、純金(K24)や地金・インゴットを売るときの店選びをまとめた記事も参考になります。

生前整理で金を売る前に決めておく、3つのこと

生前整理で金を売ると決めたら、会社を選ぶ前に決めておきたいことが3つあります。1つめで売る品と残す品の線が引け、2つめで税と書類の準備がはっきりし、3つめで、売ったあとに何を残しておけばよいかが決まります。

01
仕分け ── 残す品を先に決め、迷う品は値段を聞いてから決める
手元の金を「残す」「売る」「迷う」の3つに分けます。先に決めるのは、売る品ではなく残す品です。誰に渡すのか、なぜ残すのかを一言でメモしておくと、あとで家族に伝えるときにも役立ちます。迷う品は、査定を受けて値段を知ってから決めてください。査定だけで売らずに帰れることは、今回確かめた会社のほとんどが公式に明記しています。インゴットや金貨、飾りの少ないアクセサリーは品位と重さで値段の大筋が決まり、宝石付きの指輪やブランドのジュエリーは石や付属品で値段が動きます。箱や鑑別書、保証書、購入したときの書類は、品物と一緒にまとめておいてください。仏具や細工物の金は品位が分からないことがあり、預かって測る会社もあります。仏壇の金具や仏具を売る場合の見方は、仏壇金・遺品金の買取店の選び方をまとめた記事で扱っています。
02
税と書類 ── アクセサリーと地金で、税の扱いと求められる書類が違う
国税庁のタックスアンサー No.3105によると、家具や衣服など生活に通常必要な動産を売った所得には所得税がかかりませんが、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで1個または1組の価額が30万円を超えるものは、譲渡所得の対象になります。金地金については、タックスアンサー No.3161が、原則として給与所得など他の所得と合わせて総合課税の譲渡所得の対象になり、所有期間が5年を超えるものは譲渡所得の金額の2分の1が課税の対象になると説明しています。譲渡所得の計算では、売った金額から取得費(一般に購入代金)と譲渡費用を引き、50万円の特別控除を差し引きます(タックスアンサー No.3152)。購入したときの書類を探しておく理由はここにもあります。また、金地金や金貨を売って1回の支払金額が200万円を超える場合は、買い取る業者が売る人のマイナンバーを確かめ、税務署へ支払調書を出す決まりです(国税庁 金地金等の譲渡の対価の支払調書)。自分の場合に申告が要るかどうかは、売る前に税務署か税理士に確かめてください。
03
記録 ── 売った日・品物・品位と重さ・金額を、自分の手で書き残す
売ったあとに残しておきたいのは、売った日、会社名、品物の名前、品位(K18など)と重さ、1点ごとの金額です。会社が渡す契約書や明細書の控えに加えて、自分のノートやエンディングノートにも同じ項目を書き写しておくと、後日ほかの会社の査定や相場と見比べる材料になり、税の申告が必要になったときの手がかりにもなります。品物の品位と重さは、査定の場で1点ずつ聞いて書き留めてください。今回確かめた範囲では、書面に品位・重さ・単価をすべて載せると明記している会社は見当たりませんでした。リファスタのように買取明細書をマイページからいつでも取り出せる会社もあります。法律の面では、買い取る業者は古物営業法により、一定額以上の取引では売る人の住所・氏名・職業・年齢を確かめるなどの措置をとり、取引の年月日や品目・数量を帳簿等に記録する決まりです(古物営業法第15条・第16条)。

持ち主が亡くなったあとに残った金を相続人として売る場合は、家族の間で分け方を決めるところから段取りが変わります。その進め方は、遺品整理で見つかった金製品の売り方と判断軸をまとめた記事で扱っています。

生前整理で金を売るときに、よく聞かれる6つの質問

Q1.生前整理で金を売ると、税金はかかりますか?

金のアクセサリーなど生活に使う品は、1個または1組の価額が30万円を超えるものを除いて、売っても所得税はかかりません(国税庁 タックスアンサー No.3105)。30万円を超える貴金属や宝石、金地金は譲渡所得の対象で、金地金は原則として総合課税の譲渡所得になり、所有期間が5年を超えると課税の対象は譲渡所得の金額の2分の1です(No.3161)。計算では取得費と譲渡費用を引き、50万円の特別控除があります(No.3152)。申告の要否は税務署か税理士に確かめてください。

Q2.金のインゴットを売るとき、マイナンバーは必要ですか?

金地金や金貨を売って1回の支払金額が200万円を超える場合は、買い取る業者にマイナンバーを告げる決まりがあり、業者は税務署へ支払調書を出します(所得税法第224条の6・同施行令第350条の7、国税庁)。コメ兵は200万円を超える金・地金等の買取でマイナンバーの届け出が必要とし、インゴット500g以上は購入明細書の持参も求めています。なんぼやも200万円を超える場合は個人番号カードの提示が必要だと書いています。

Q3.店で金を売ったあとに、取り消すことはできますか?

店に持ち込んで売る取引は、法律上のクーリング・オフの対象外です。国民生活センターは、店舗での買取は消費者が自分から店に出向いているため制度の対象にならないと説明し、査定を受けてもその場で応じる義務はなく、持ち帰ってほかの店とも比べるよう呼びかけています。法律のクーリング・オフは、自宅などで売る訪問購入が対象で、書面を受け取った日から8日以内です。会社独自の返品の決まりがあるかどうかは、売る前に確かめてください。

Q4.生前整理で売るか残すか迷う金は、どうすればよいですか?

迷う金は、査定を受けて値段を知ってから決めるのが確実です。査定だけで売らずに帰れることや、査定料・キャンセル料がかからないことは、なんぼや、買取大吉、ザ・ゴールドをはじめ多くの会社が公式に明記しています。ザ・ゴールドは生前整理・遺品整理のページで、査定で価値を知って手元に残すことを選ぶ人もいると書いています。残す品とその理由を先に決めておくと、迷う品の判断もしやすくなります。

Q5.生前整理の相談に応じている金の買取会社はどこですか?

今回確かめた13社のうち、終活・生前整理の専用ページを設けているのは、なんぼや、ザ・ゴールド、ジュエルカフェです(2026年10月20日確認)。なんぼやは家族へ継承する品の相談から売却まで受けるとし、ザ・ゴールドは買取と大型家具の処分の手配まで案内しています。買取大吉は初めての方への案内で「生前・遺品整理をしたい」ときの利用を挙げ、公式サイトに全国2,400店舗以上と表示しています。おたからやも出張査定の案内で終活の相談に触れています。

Q6.売った金の記録は、何を残しておけばよいですか?

売った日、会社名、品物の名前、品位と重さ、1点ごとの金額の5つを残しておくと安心です。会社から受け取る契約書や明細書の控えに加え、自分のノートにも同じ項目を書き写しておくと、相場やほかの会社の査定と見比べたり、税の申告が必要になったときに確かめたりする材料になります。リファスタは買取明細書をマイページからいつでもダウンロードできるとしています。品位と重さは、査定の場で1点ずつ聞いて書き留めてください。

まとめ:生前整理の金は、残す品を決め、値段と記録を確かめてから売る

生前整理で金を売却するときは、どの会社が高いかを比べる前に、残す品とその理由を決め、迷う品は査定で値段を確かめてから手放すかどうかを決めてください。店舗での貴金属の買取をめぐる相談は2020年度の165件から2025年度の937件に増え、当事者の平均年齢は63.3歳でした(国民生活センター、2026年9月2日公表)。店に持ち込んで売る取引は法律上のクーリング・オフの対象外なので、査定を受ける日と売ると決める日を分けて考えることが、自分を守るいちばんの方法です。

編集部が挙げた3社を生前整理の進め方に当てはめると、家族に遺す品と売る品を価値を知ってから分けたいなら なんぼや(終活・生前整理の専用ページ・分野を問わず無料査定・200万円超の地金は個人番号カードの提示)、近くの窓口で相談しながら少しずつ進めたいなら 買取大吉(全国2,400店舗以上・生前・遺品整理での利用を案内・出張は当日予約も可)、金と一緒に家の中の品をまとめて片づけたいなら ザ・ゴールド(生前整理・遺品整理の専用ページ・買取と大型家具の処分の手配・全店直営)です。並べた順に優劣はなく、生前整理をどこから始めたいかで選んでください。

税の扱いは、生活に使うアクセサリーと金地金で違い、金地金や金貨で200万円を超える売却にはマイナンバーの告知が伴います。自分の場合に申告が要るかどうかは、売る前に税務署か税理士に確かめ、売ったあとは日付・品物・品位と重さ・金額を書き残しておいてください。金の値段そのものは相場から組み立てられるので、生前整理で力を注ぐべきなのは、何を残し、何をどう手放したかを自分の言葉で残しておくことのほうです。

生前整理に限らず、金の売り先を会社ごとに比べたいときは、金を売るならどこがいいかを鑑定実務の観点でまとめた記事もあわせて読んでみてください。

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